③「学んでみよう(国試対策)」-2019年6月号
今月は 一般臨床医学・柔道整復学理論 (各 6問)、 整形外科学 (3 問)合計 15 問を出題します。
6月分 問題内訳
・一般臨床医学 6問(№ 1、2、3、4、5、6)
・柔道整復学理論 6問(№ 7、8、9、10 、11 、12 )
・整形外科学 3問(№ 問(№ 13 、14 、15 )
計 3問。(協力 ジャパン国試合格)
問題1 汎血球減少症がみられるのはどれか。
1. 再生不良性貧血
2. 重症筋無力症
3. 痛 風
4. 褐色細胞腫
問題2 呼吸音が減弱するのはどれか。
1. 肺結核
2. 気 胸
3. 肺 炎
4. 気管支炎
問題3 骨粗鬆症やうつ傾向、多毛がみられるのはどれか。
1. 肝硬変
2. クッシング症候群
3. ネフローゼ症候群
4. 潰瘍性大腸炎
問題4 眼瞼閉鎖が困難となるのはどれか。
1. 動眼神経麻痺
2. 球麻痺
3. ベル麻痺
4. 脳性小児麻痺
問題5 自己抗体が原因となるのはどれか。
1. ファンコニ貧血
2. 溶血性貧血
3. 鉄欠乏性貧血
4. 腎性貧血
問題6 ウイルス感染が原因となるのはどれか。
1. 急性骨髄性白血病
2. 慢性リンパ性白血病
3. 成人 T 細胞白血病
4. 急性リンパ性白血病
問題7 病的骨折の全身的誘因はどれか。
1. 大理石病
2. 骨肉腫
3. 化膿性骨髄炎
4. 転移性骨癌
問題8 肘関節脱臼で誤っているのはどれか。
1. 後方脱臼では尺骨鉤状突起骨折を合併することがある。
2. 前方脱臼では肘頭骨折を合併することが多い。
3. 外側脱臼では外側側副靱帯断裂が合併することが多い。
4. 橈骨頭の脱臼は尺骨近位骨幹部骨折を合併することが多い。
問題9 下腿遠位部の骨折、足根部の脱臼の疾患と特徴の組み合わせで正しいのはどれか。
1. 介達外力による脛腓両骨骨折――――骨折部が同高位となる。
2. コットン(Cotton)骨折―――――― 外果骨折、脛骨後果骨折、内果骨折を合併したもの。
3. ショパール(Chopart)関節脱臼――外側脱臼では内果の前方に舟状骨を触知する。
4. チロー(Tillaux)骨折―――――― 前脛腓靭帯の腓骨側付着部の裂離骨折
問題10 膝蓋骨骨折で正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. 三角骨障害と鑑別を要する。
2. 転位が著明な横骨折の場合でも保存療法の適応である。
3. 膝蓋腱膜下骨折では膝伸展が可能な場合がある。
4. 骨軟骨骨折は膝蓋骨脱臼に合併する。
問題11 胸骨骨折で正しいのはどれか。
1. 柄体境界部での発生頻度が最も高い。
2. 介逹外力での発生が多い。
3. 腹式呼吸となる。
4. 偽関節になりやすい。
問題12 シンスプリントの治療法で正しいのはどれか。
1. 急性期に温熱療法を積極的に行う。
2. 運動の制限をかける必要はない。
3. 仮骨の形成がみられるまで固定をする。
4. 下腿三頭筋のストレッチングを積極的に行う。
問題13 スポーツ中の怪我の発生頻度が最も多いのはどれか。
1. バスケットボール
2. バレーボール
3. アメリカンフットボール
4. 柔 道
問題14 筋萎縮性側索硬化症でみられないのはどれか。
1. 眼球運動障害
2. 線維束性収縮
3. 痙性麻痺
4. 病的反射
問題15 悪性腫瘍はどれか。
1. 骨髄腫
2. 骨巨細胞腫
3. 骨軟骨腫
4. 孤立性骨嚢腫
回答 解説 コメント
問題1
【解答】 1 【臨床】p.191
[臨]4.主要な疾患 4)血液疾患 C.再生不良性貧血
汎血球減少症とは、血小板、赤血球、白血球の 3 系統が全て減少することで、脾機能亢進や骨髄機能 の低下が原因となる。再生不良性貧血では造血機能が低下することにより、汎血球減少症がみられるも のである。
※正答率 93%(受験生 1,892 名)
問題2
【解答】 2 【臨床】p.38
[臨]2.診察各論 4)聴診 B.肺 正常呼吸音は肺胞呼吸音、気管支呼吸音、肺胞気管支呼吸音、気管呼吸音などがあるが、気胸では 胸腔の陰圧が減少するため、肺胞の拡張が障害される。そのため、呼吸音が減弱する。
※正答率 80%(受験生 1,892 名)
問題3
【解答】 2 【臨床】p.182
[臨]4.主要な疾患 5)内分泌・代謝疾患 E.クッシング症候群 クッシング症候群では、中心性肥満、皮膚の赤色線条、骨粗鬆症、高血糖、易感染、精神症状(うつ傾向)や多毛がみられる
※正答率 81%(受験生 1,892 名)
問題4
【解答】 3 【臨床】p.23-24
[臨]2.診察各論 2)視診 I.頭部・顔面 顔面神経麻痺(ベル麻痺)では、眼輪筋の収縮が困難になるため、眼瞼の閉鎖が障害される。その他、 顔面神経麻痺では味覚の低下や口角の低下、聴覚過敏などの症状が現れる。
※正答率 74%(受験生 1,892 名)
問題5
【解答】 2 【臨床】p.189-191
[臨]4.主要な疾患 4)血液疾患 溶血性貧血では自己の赤血球を攻撃する自己抗体によって溶血が起きたり、赤血球の形態異常が原 因となり貧血となる。
※正答率 72%(受験生 1,892 名)
問題6
【解答】 3 【臨床】p.192-194
[臨]4.主要な疾患 4)血液疾患 F.急性白血病
成人 T 細胞白血病は母親からの母乳によって感染する白血病である。原因となるウイルスは HTLV-1
である。白血球の T 細胞に HTLV-1 が感染し、ガン化したことにより発症する。
※正答率 81%(受験生 1,892 名)
問題7
【解答】 1 【柔理】p.23-24 [柔・総:骨] 1.骨折 A.定義 骨の性質や状態によって、外傷性骨折、疲労骨折、病的骨折に分類されれる。病的骨折の発生には局 所的誘因と全身的誘因がある。
(局所的誘因) 転移性骨癌、骨肉腫、骨嚢腫、化膿性骨髄炎、骨巨細胞腫など
(全身的誘因) くる病、骨形成不全症、大理石病、高齢者の骨粗鬆症、ページェット病、上皮小体(副甲状腺)機能亢 進症など
※正答率 79%(受験生 1,892 名)
問題8
【解答】 3 【柔理】p.270-274
[柔・各:脱] 2.上肢 C.肘関節脱臼 j.合併症 l.予後
1.肘関節後方脱臼での合併する骨折は上腕骨内側上顆、外顆、尺骨鉤状突起、橈骨頭(成人)などが 挙げられる。
2.肘関節前方脱臼では、ほとんど肘頭骨折を併発する。
3.肘関節側方脱臼では、側方からの外力により発生することから反対側の側副靱帯が損傷されること が多い。
4.橈骨頭の脱臼は尺骨近位骨幹部骨折と合併する(モンテギア骨折)。
※正答率 72%(受験生 1,892 名)
問題9
【解答】 2 【柔理】p.344-345,350,358,380-381
[柔・各:骨脱]3.下肢 H.下腿骨遠位部骨折 E.足根骨脱臼 f.g
1.スポーツ活動での転倒や、足部を固定したまま体幹の捻転、足部の捻転強制などにより、骨折部は 異高位となる。
2.外果骨折、脛骨後果骨折、内果骨折の三果骨折を合併したものをいう。
3.ショパール関節外側脱臼では、扁平足様変形となり、内果の前方に距骨頭の突出を触れる。
4.チロー(Tillaux)骨折は、前脛腓靭帯の脛骨側付着部の裂離骨折である。
※正答率 72%(受験生 1,892 名)
問題10
【解答】 3,4 【柔理】p.336-339
[柔・各:骨]3.下肢 A.膝蓋骨骨折 f.原因 g.症状 i.鑑別疾患 k.治療
1.膝蓋骨骨折で鑑別を要する疾患は、有痛性分裂膝蓋骨である。三角骨障害で鑑別を要する疾患は、 距骨後突起骨折である。
2.著明な転位があるのは、観血療法の適応となる。
3.膝蓋腱膜断裂を合併している場合は、骨折部の著明な離開を起こし体表から陥凹が触知できる。
※正答率 71%(受験生 1,892 名)
問題11
【解答】 3 【柔理】p.148-150
[柔・各:骨] 1.頭部・体幹 G.胸骨骨折
1.胸骨骨折の好発部位は体部骨折が最も頻度が高く、続いて柄体境界部となる。
2.発生機序は交通事故のハンドル損傷やシートベルト損傷などの直達外力で発生することが多い。
3.呼吸時に激痛があり、腹式呼吸を行う。
4.重篤な合併症の場合には一般的に予後が良好で、偽関節にはなりにくい。
※正答率 76%(受験生 1,892 名)
問題12
【解答】 4 【柔理】p.406-407
[柔・各:軟]3.下肢 D.下腿部の軟部組織損傷 b.原因 g.症状 k.治療
1.急性期には患部にアイシングを行う。温熱療法は急性期以降に行う。
2.急性期には運動の中止をさせる必要がある。
3.シンスプリントは下腿部後面内側筋群の牽引により脛骨骨膜に損傷や炎症をきたす疾患である。骨 折ではないため、仮骨の形成はみられず、単純 X 線で異常所見がみられない。
4.下腿三頭筋のストレッチを積極的に行うことで下腿部の筋緊張が緩和されるために行う。
※正答率 78%(受験生 1,892 名)
問題13
【解答】 3 【整形】p.74
[総論]8.スポーツ外傷と障害.
平成 28 年度スポーツ安全保険の加入者及び各種事故の統計データ(公益社団法人スポーツ安全協 会)によると、スポーツ種目別の傷害発生率の 1 位はアメリカンフットボール(7.59%)で、以下 2 位ドッジ ボール(6.49%)、3 位ラグビー(5.98%)、4 位柔道(4.85%)、5 位バスケットボール(3.75%)であった。
※正答率 60%(受験生 1,892 名)
問題14
【解答】 1 【整形】p.143
[各論]3.神経および筋の疾患 F.筋萎縮性側索硬化症 g.症状 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位・下位運動ニューロンが障害されるため、錐体路徴候と末梢神経障 害の症状の両方がみられる。痙性麻痺やバビンスキー反射などの病的反射は上位運動ニューロン障害 の症状、線維束性収縮は下位運動ニューロン障害の症状である。感覚障害、外眼筋麻痺、膀胱直腸障 害、褥瘡は陰性徴候で、原則として末期に至るまでみられない。
※正答率 67%(受験生 1,892 名)
問題15
【解答】 1 【整形】p.92 [各論]7.骨・軟部腫瘍 F.多発性骨髄腫 a.概念 多発性骨髄腫(骨髄腫)は中高年男性に多い悪性腫瘍で、病的骨折や腰背部痛がみられる。新しい教 科書(改訂第4版)では化学療法による近年の治療成績向上が述べられているので注意しておきたい。
※正答率 60%(受験生 1,892 名)
公益社団法人 日本柔道整復師会
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