超音波画像観察- ⑬
超音波画像観察≪左側胸部の痛みの症例報告≫⑬
今回の患者さんは25歳男性で、左側胸部の痛みを主訴に来院されました。原因は車同士の交通事故ということで、状況は走行中に一旦停止を無視した車が左側面から追突してきたとのことでした。来院時は受傷後3週間が経過していました。病院へ行ったが打撲とのことで湿布剤等で様子をみていたようですが、いつまでも痛いので何とかならないか、とのことで来院されました。症状は、くしゃみや咳、起床時等の動作開始時に側胸部に痛みが強く現れるとのこと。諸症状からシートベルト損傷による肋骨骨折があやしい、ということで超音波観察。案の定、3本の肋骨骨折を確認できました。すでに良好な治癒過程と思われる仮骨が形成されていました。多発骨折ですので、もう一度医科を受診をするよう説明しました。
対診先の先生から、「多発骨折で4本折れてます。経過は良好ですので、あと10日くらいで痛みはとれるでしょう」とお返事をいただきました。4本やったかぁ…、1本確認できなかったけど、超音波による病態把握が間違いなくでき、医科へ対診できたことは適切な処置であったと考えています。
(公社)滋賀県柔道整復師会 川戸 典知
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