超音波画像観察≪肘の超音波画像観察 ロッキング≫⑱

超音波画像観察≪肘の超音波画像観察 ロッキング≫⑱

今日の症例報告はまたまた肘関節の症例を報告します。50代男性。30㎏の米袋を持ち運んで床に降ろそうとした際に「バキッ」と肘関節で音がして、屈伸動作が著しく制限されたとのことです。屈曲90度、伸展130度。主訴は肘の痛みと「右手でビールが飲めへん!」とのこと。肘屈曲ができないので口元までジョッキが届かないようですね(笑)。それはそうと症状は本当につらそうです。拝見させていただくと、腫脹は肘窩から肘外側に中等度、可動域屈曲90度、伸展130度、外側上顆、内側上顆にも強圧痛を認めました。運動歴はレスリング、仕事は農業。肘に限らず日常的に体を酷使しているようです。諸症状から関節内遊離体がロッキングしていると考えられます。エコー観察しますと、案の定、腕橈関節の上腕骨小頭付近に骨片と思われる高輝度エコーが確認できました。その他にも関節水腫、橈骨頭部の変形なども見られました。「いつしかできた遊離体が今回ロッキングしてしまったのでしょう。手術になることも考慮し整形外科を受診しましょう」と説明し、病院へ行ってもらいました。レントゲン検査、CT検査を受けてもらい、結果は予想通り関節内遊離体のロッキング、変形性関節症でした。ただ手術は見送られ、「そちらで継続加療をお願いします」とお返事をいただきました。物療、アイシング、テーピングにより完璧とはいきませんが約1週間で症状改善しました。

(公社)滋賀県柔道整復師会 川戸 典知

 

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