超音波観察日記20190418-⑩

超音波観察日記20190418-⑩

超音波画像観察≪下腿骨骨折(腓骨骨折)の症例報告≫⑩

今日は下腿骨骨折(腓骨骨折)の症例報告です。この患者さんは、高校3年生の男子生徒で、長期休暇中の遠征で当院近くの競技場に試合に来られていました。サッカーの試合中にジャンプ後着地時に足関節を内反し負傷されました。歩行不能となり、当院に運ばれてこられました。写真①は来院時のものですが、ほぼ受傷直後のものです。写真①からも腫脹の様子がわかりますね。外観上明らかに腓骨下端が怪しい…とのことで、超音波観察です。画像④は腓骨の長軸像で、骨の連続性が断たれているのが確認できます。つまり骨折と判断できるわけですね(赤矢印)。画像①②③は腓骨の短軸像です。短軸とは輪切りしている画像です。腓骨下端部を中枢から末梢へプローブを移動し走査しています。3枚の画像ですが骨折部が左から右へ移動しているのがわかると思います。これは斜めに骨折線が走行していると考えられます。つまり斜骨折で、関節内骨折も疑わしいですね。応急処置を施し、「手術になるかもしれないので、地元の病院で検査を受けるように」とお伝えし、松葉杖歩行で帰宅となりました。その後、保護者から「検査結果から手術になりました。適切に処置をしていただきありがとうございました」と、お手紙と地元名産のお品をいただきました!こちらこそありがとうございました(^_-)-☆ 超音波観察のお陰で、間違いない病態把握と、それに準ずる応急処置およびアドバイスができた症例報告でした。

(公社)滋賀県柔道整復師会 川戸 典知

 

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